Tomoda Ayano

日本独自の心を紡ぐような、温かみのある作品を目指し、

独自の技法で立体的な切り絵作品を制作している。
日本人であるという人種的なアイデンティティが活動の根底にあり、

時には和紙を始めとする日本古来の素材にこだわって「日本らしさ」を表現する。

小学 6 年生の時に参加した短期留学プログラムの中で、

言葉が通じなくても美術によって世界各国の人々と同じ感情を共有できる可能性を感じ、

本格的にアートの世界に興味を持つ。
切り絵を使ったパフォーマンスを観た時に、

パフォーマンスがコミュニケーションを可能にする一つの手法であると気づいたことで、

切り絵によるアート制作をスタートした。
○○
その後、存在のある作品を作り出しうる「彫刻」というジャンルと、

それまで取り組んでいた「切り絵」を重ね合わせる表現方法について研究を進める。
その結果、紙を彫って模様を切り抜き、

模様を貼り合わせて立体を造り出す「立体切り絵」の技法に辿り着いた。

「立体切り絵」では、机の上に置かれた一枚の紙に刻まれる模様、

模様から生み出される曲線を徹底的に追求する。

『如何にして立体に小さな命を宿すか』その最適解こそが、言語の壁を超えて共鳴を呼ぶ。

また創り出される作品のみならず、

「刻む」「彫る」を繰り返す繊細な作業こそ日本的であると信じている。

完成まで至るあらゆるプロセスを通じて、

日本人としてのメッセージを世界に向けて発信し続けている。